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日本橋時鳥図小柄(素銅製穂先付) 無銘 -Mumei- 16-212

通常価格:¥88,000 税込
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日本橋時鳥図小柄(素銅製穂先付)
無銘
-Mumei-

穂先を含めた全長220.3ミリ 小柄部分の全長93.8ミリ 幅14.3ミリ 重さ51.3グラム(穂先含む)
小柄 江戸中期~後期 The middle to late Edo period
附属 桐箱


日本橋は五街道の起点として江戸の繁栄を象徴した名所であり、欄干に据えられた擬宝珠は、その格式ある姿を端的に伝える象徴として絵画や工芸に取り上げられてきました。初夏の訪れを告げる時鳥を組み合わせた本図は、橋そのものを描き尽くすことなく、一基の擬宝珠と空を渡る鳥だけで江戸の名所と季節の気配を想起させる、機知と余情に富んだ画題です。

本品は落ち着いた黒褐色の鉄地を広々とした江戸の空に見立て、画面下端へ日本橋の欄干を示す擬宝珠を置き、その上方へ一羽の時鳥が翼を翻して飛ぶ姿を金色絵で鮮やかに表しています。橋を大きく描かず、擬宝珠のみを地上の標として据えることで視線を自然に空へ導き、金色に輝く時鳥の動きと、古色を帯びた鉄地の静けさを印象深く対照させています。

広い余白には、時鳥が渡る空の高さと江戸の朝の清々しい空気が宿り、わずかな意匠から日本橋の賑わいまでも想像させるところに、本作ならではの洒脱な魅力があります。斜めから眺めれば擬宝珠の量感と時鳥の羽の起伏が鉄の地肌から立ち上がり、金と鉄の簡潔な取り合わせが華美に傾かない粋な表情を見せます。

附属する素銅製の刃は本来添えるべき小刀ではなく、明治時代に刀装具を海外へ輸出するため、ペーパーナイフとして新たに誂えられたものです。廃刀令後、優れた刀装金工の技を生かした品々が海外向けの美術工芸品として姿を変えていくなか、本品も江戸時代の小柄へ温かな色調の素銅製ペーパーナイフを合わせ、手元で愛玩できる輸出工芸へ仕立てられました。江戸名所の象徴性と初夏の季節感に加え、刀装具が明治の新しい需要へ応じて受け継がれた歩みまで伝える、歴史的にも興味深い一口です。
寸法穂先を含めた全長220.3ミリ 小柄部分の全長93.8ミリ 幅14.3ミリ
時代江戸中期~後期 The middle to late Edo period
鑑定書―
付属素銅製穂先、桐箱
重量重さ51.3グラム(穂先含む)

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