藤原兼房作 昭和甲子年吉日 -Fujiwara Kanefusa- 2-1901
通常価格:¥660,000
税込
藤原兼房作 昭和甲子年吉日
-Fujiwara Kanefusa-
刃長71.6センチ 反り1.65センチ
元幅31.3ミリ 元重ね5.4ミリ
物打幅25.7ミリ 横手位置幅21.5ミリ
物打重ね4.1ミリ 松葉先重ね4.4ミリ
目釘穴1個
裸身重量527グラム 拵に納めて鞘を払った重量787グラム
昭和59年(1984) Showa 59 (1984)
昭和59年4月27日 岐阜県登録
附属 銀はばき、黒蝋塗鞘打刀拵(天正拵)
二十四代兼房、本名加藤孝雄は、岐阜県関市において室町時代から続く名跡「兼房」を継承した現代刀工で、父である二十三代藤原兼房に師事して作刀技術を学びました。新作名刀展では薫山賞、優秀賞、努力賞などを多数受賞し、美濃伝の伝統を受け継ぐ刀工として高い評価を受けています。兼房家は関鍛冶を代表する名門の一つであり、歴代を通じて実用性と美しさを兼ね備えた作品を生み出してきました。二十四代兼房もその伝統を守りながら、美濃伝を基調とした堅実な鍛えと冴えた焼刃を特色とする作品を数多く残し、現代刀を代表する刀工の一人として知られています。
本刀は元先の幅差が頃好く開いて中切先。表裏には刀樋を掻き流し、地鉄は小板目に杢を交えてよく錬れて詰み、刃文は小湾れ調子に互の目を交え、刃中には砂流しが働き、刃肌に絡む金筋が随所に現れ、鋩子は乱れ込んで先丸く返っています。 本刀の大きな魅力は、何といってもその驚くほど軽快な手持ちにあります。刃長71.6センチという十分な長さを備えながら、裸身重量は僅か527グラム、さらに拵に納めて鞘を払った状態でも787グラムと非常に軽量に仕立てられています。単に重量が軽いというだけではなく、実際に手にすると取り回しが良く、振り始めから止めまで刀を制御しやすいことが実感できる一振です。
そのため、居合の形稽古を中心に使用する刀として大きな利点があり、重い刀では腕や肩への負担を感じる高齢の方をはじめ、腕力に自信のない女性にも扱いやすい刀と言えるでしょう。特に長時間の稽古では刀そのものの重量が身体への負担となりますが、本刀であれば無理に腕力に頼る必要が少なく、正しい姿勢や身体操作、刃筋を意識した稽古に集中しやすいという実用上の魅力があります。一方で、反りを備えた端正な姿によって、軽量刀にありがちな頼りなさを感じさせず、日本刀としての存在感もしっかりと保っています。異型の目釘穴も本作の見どころの一つです。
附属する天正拵は贅を尽くした優品で、柄は鹿革により堅牢に巻かれ、がたつきもなく良好な状態を保っています。現状では鐔鳴りが認められるため、実際に居合稽古で使用する場合には責金による調整をおすすめします。
刀身・拵ともに完成度が高く、特に拵は単体でも十分な鑑賞価値を有する秀作です。二十四代兼房の技量を楽しむ鑑賞刀としてはもちろん、「長さは十分に欲しいが、重い刀を振るのはつらい」という方には特におすすめしたい一振で、高齢の居合愛好家や非力な女性にも無理なく扱いやすいことは、本刀ならではの大きな長所と言えるでしょう。また、鑑賞用上研磨を施すことで、さらに本刀の地刃の魅力を引き出すことができます。