陸軍旧九四式軍刀拵(鉄鞘) -Former type 94 Japanese army koshirae- 18-030
通常価格:¥330,000
税込
継木の法量
刃長70.1センチ 反り2.1センチ 茎の長さ15.6センチ
元幅31.6ミリ 元重ね6.8ミリ
物打幅24.8ミリ 物打重ね6.1ミリ
横手位置幅24.1ミリ 松葉先重ね5.5ミリ
裸身重量829グラム 拵に納めて鞘を払った重量1,126グラム
拵の法量
全体の長さ108.4センチ 鞘の長さ72.3センチ 柄の長さ24.8センチ 鐔の耳の厚さ10.2ミリ
拵全体の重さ1,147グラム 鞘のみの重さ684グラム 鐔と切羽を含めた柄の重さ409グラム
昭和前期 The early years of Showa era
昭和9年(1934)2月14日、皇室令第三號で大元帥陛下の新御佩刀と、勅令二十六號で陸軍の一般将校用新軍刀が制定され、西洋サーベル型式から日本の太刀を模した新たな外装へと転換され、九四式軍刀が誕生しました。
本品は、鉄鞘を備えた陸軍旧九四式軍刀拵 初期型です。着脱式の第二佩鐶は失われていますが、初期型ならではの端正な姿はよく保たれており、全体の印象を損なうものではありません。
目貫には下がり藤紋が据えられており、凛とした気品を備えた意匠が印象的で、特筆すべき点は、厚さ1.02センチを誇る厚い透鐔。その量感と存在感は量産品とは明確に一線を画します。黄金色の鍍金も極めて健全な状態を保っており、当時の製作水準の高さを現在に伝えており、駐爪釦には桜花意匠が用いられ、陸軍軍刀としての格式を明確に示しています。
鐺金具の桜花葉には時代相応の摩耗が見られますが、実用を経た軍装品ならではの歴史の証であり、本物であることを雄弁に物語る要素といえるでしょう。総体としてのコンディションは良好で、現存数の少ない初期型としては非常に恵まれた状態です。
本拵は、大東亜戦争という激動の時代を生き抜き、この国の行く末を背負って戦場に赴いた将兵の腰にあった、確かな歴史遺産です。単なる収集品にとどまらず、敬意と感謝の念をもって後世へ伝えるに相応しい一腰として、確かな審美眼を持つ方にぜひ御愛蔵いただきたい逸品です。