兼房 - Kanefusa - 3-916
通常価格:¥1,540,000
税込
刃長31.0センチ 反り0.6センチ
元幅31.1ミリ 元重ね5.3ミリ
物打幅28.1ミリ 物打重ね4.2ミリ
裸身重量215グラム
室町中期~後期 The middle ~ latter period of Muromachi era
平成17年9月16日 岐阜県登録
附属 白鞘、素銅地金着はばき
兼房は関の善定派に属す関惣領家で関鍛冶の頭領でした。兼常の門人であり、若狭守氏房の父と言われています。室町時代の文明から天正頃にかけてその遺作が見られ、中でも平造小脇差と短刀を多く残しており、匂締まる大きな互の目丁子乱れを特徴とした『兼房乱れ』と呼ばれる独創的な刃文を完成させたことでも名高い名工です。
本脇指は、刃長から見て、所謂「寸延短刀」に分類される一振です。平造で表には力強い護摩箸、裏には腰樋と添樋を丈比べに掻き、実用と美観を兼ね備えた意匠が映える作となっています。地鉄はよく練れた杢目肌に地沸が付き、肌立ちながらも細かな地景が随所にあらわれ、見るほどに味わい深い鉄肌を呈しています。刃文は匂口明るく冴えた互ノ目乱れを基調に、兼房の代名詞ともいえる「兼房乱れ」を交え、さらに皆焼へと焼き上げられた迫力の一線。刃中には足・葉が入り、総体に砂流が顕著に現れるなど、まさに兼房の魅力を凝縮した出来で、鋩子は乱れ込んで先丸く返り、品格のある締まりを見せます。
身幅・重ねともにしっかりとしており、研磨状態も良好故に地刃の迫力を存分に楽しめます。出来が傑出しているため、重要刀剣審査に挑む価値が十分あると感じさせる、極めて完成度が高く、兼房の中でも屈指の一振と言えるでしょう。
※委託品