景光作 八月一日(加州景光) - Kagemitsu(Kashu) - 2-1795
通常価格:¥880,000
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加賀景光は南北朝期は延文頃(1356年頃)より、康暦、応永、康正~文明、永正、そして加州景光の名跡は江戸時代初期の寛文頃まで、それぞれ続きます。
一派は真景の流れで、橋爪派と云われ、代々吉井備前を思わせる小互の目を焼きました。古来より加賀景光の位は高く、北条氏照が伊達政宗に贈った刀も加賀景光だったと云われており、位高い名刀として知られます。
この刀は、大きく区を送られるも、製作当時の姿を力強くとどめた作品で、元先の幅差は目立っては開かず切先延びた豪壮な体配を誇っており、表裏に刀樋を角留とし、地鉄は板目が流れて肌立ち、刃文は匂口明るく冴え、湾れ調子に互ノ目を焼き上げ、足や葉、砂流が見られ、些細に見ると刃縁には二重刃風に沸が強く付き、鋩子は直ぐ調に二重刃風の刃を交えつつ丸く返っています。
附属の拵は九八式軍刀ですが、鉄鞘やアルミ鞘ではなく木鞘に本漆を塗り上げた高級仕様で、戦地ではなく内地で指揮を執った上級将校の佩刀にしばしば見られるものです。保存状態も良く、さらに裏赤の左官刀緒を伴っている点は、本刀の格式を今に伝え、鐔や金具類に残る黄金色も往時のまま健在で、刀剣愛好者はもとより軍装収集家にも一際推奨できる逸品です。
また、当方不勉強により詳細は存じませんが、昭和十六年発行の古い折紙が付随していることも特筆されます。古名跡たる加賀景光と、上級将校用軍刀拵が揃った歴史的・資料的価値の高い一振と申せましょう。
柄にがたつき無し。鐔鳴りあり。