播州手柄山藤原氏繁 天明七年二月日 - Banshu Tegarayama Fujiwara Ujishige - 2-1792
通常価格:¥770,000
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氏繁は播磨の刀工で、万治頃に大和大掾藤原氏重を初代とし、文政頃の六代までその名が続いた名流です。
なかでも四代氏繁は、大坂や江戸で作刀したのち奥州白河藩主・松平家の抱え工となり、手柄山を氏として正繁と改名しました。
手柄山氏繁の名は、新選組二番隊組長・永倉新八の愛刀としても広く知られ、その剛健と冴えにより名工としての地位を確立しています。
本刀は、元先の幅差目立っては開かず、中切先に至る姿が端正で力強さを湛えており、小板目鍛えの地鉄には地沸がよく付き、匂口明るく冴えた湾れ刃を沸強くゆったりと焼き上げ、湯走りが長く現れて二重刃風を呈し、総体的に砂銀を蒔いたかのような美観を誇り、鋩子は直ぐに先丸く長く返っており、同工の気質がよく表れています。
附属の拵は経年による塗りの剥離が一部見られるものの、総体的に保存状態は良好です。金具は義美作・片切彫の雲龍図で、縁金具には「鞘金具共 義美(花押)」の銘を有し、龍を主題とした意匠を目貫の剣巻龍とあわせて上品に纏められ、無地の箸形の割笄も、本拵に華を添えています。鐔は土佐明珍紀宗義在銘で、深い切込みを伴う木瓜形に阿弥陀鑢を施し、耳には銀覆輪を掛けるなど、無骨ながらも格調ある意匠が整えられています。
鞘を払って構えると、手元重心で扱いやすく、姿の美しさと実用性が両立していることを実感できます。柄にがたつきはありませんが鐔鳴りがありますので、責金を添えることをお薦め致します。
刀身、拵、共に、是非特別保存鑑定を御受審下さい。