無銘(宇多國房) - Mumei(Uda Kunifusa) - 2-1794
通常価格:¥770,000
税込
刃長69.9センチ 反り1.85センチ
元幅26.2ミリ 元重ね6.2ミリ
物打幅20.6ミリ 物打重ね4.9ミリ
横手位置幅15.6ミリ 松葉先重ね3.3ミリ
裸身重量537グラム。
南北朝末期~室町初期
The last years of Nanbokucho ~ The early years of Muromachi era
令和6年4月9日 東京都登録
附属 特別保存刀剣鑑定書、素銅地金鍍金二重はばき、白鞘
宇多派は鎌倉末期、古入道國光を祖とし、南北朝時代には國房・國宗・國次らの名工が活躍しました。その後も同名相継いで室町末期に至るまで栄えた一大流派で、このうち、南北朝期に下らぬ優品を「古宇多」と汎称しております。
宇多一派は本来、大和国宇陀郡の出身であることから、大和伝の気質を色濃く示す作が多く見られますが、時に相州伝の影響を感じさせる作品も遺しています。
本刀は南北朝末期から室町初期にかけて鍛えられた大磨上無銘の一口で、宇多國房と鑑せられた佳品です。元先の幅差開き、踏ん張りを伴った堂々たる姿を示し、表裏には刀樋を掻き流すなど、時代を映す力強さを漂わせます。地鉄は板目よく練れて地沸つき、沸映り立ち、地景交えるなど精緻な肌合いを見せ、刃文は直刃調に小互の目や小乱れを交え、小足入り、小沸よく付き、長く現れた打除は二重刃風を呈するなど、働き豊か。鋩子は直ぐに小丸に返り、大和気質を強く示しています。地刃ともに宇多派の特色を看取でき、とりわけ精美な地鉄の鍛えから、本作を國房に極めるべき所以があります。
焼刃は高く健全であり、宇多の中でも一際冴えた出来映えを誇る一振。上研磨を施したうえで、一度は重要刀剣審査を狙っていただきたい名品です。