獅子図大小縁頭 無銘(鉄元堂派)Mumei(Tetsugendo ha) 14-136
通常価格:¥880,000
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鉄元堂正楽は岡本源兵衛俊行と称し、鉄屋伝兵衛国治の門人で、工銘は尚茂、正楽はその号であり、安永九年(1780)に没しました。
作風は主として鉄を用い、鉄を自由にこなす作者として定評があり、一宮長常、大月光興と共に、京都金工の三作に挙げられています。鉄屋を屋号としたので、"鉄源堂" (のちに鉄元堂) と切る銘が見うけられ、作品は、鉄屋の名の通り鉄を使うことが多く、よく鍛錬された鉄地に、日本や中国の歴史上の人物を高彫り色絵に描くことに長けています。
この大小縁頭は鉄元堂派と極められた作品で、よく練れた鉄地に槌目を打ち、獅子を躍動感あふれる姿で見事に彫り上げたものです。上下の縁には赤銅を嵌め込む凝った構造となっており、細部にまで職人の工夫と高い技量がうかがえます。構図・彫技ともに優れた、まさに逸品と呼ぶに相応しい作品です。