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二本竹笹紋に笠紋図笄 無銘 -Mumei- 16-253

通常価格:¥165,000 税込
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二本竹笹紋に笠紋図笄
無銘
-Mumei-

全長21.4センチ 幅12.9ミリ 重さ39.4グラム
江戸中期 The middle period of Edo era
附属 桐箱


家紋は武家の出自や家格、血縁を示す標識として用いられる一方、その簡潔に洗練された形そのものが優れた装飾意匠となり、刀装具にも数多く採り上げられてきました。本品に表された二本竹笹紋は、まっすぐに伸びる竹と青々とした笹葉を組み合わせた意匠で、冬にも色を失わない生命力、節を重ねて成長する姿にちなむ繁栄、折れにくくしなやかな性質に重ねた節操を象徴し、中央の笠紋は身を守る笠を端正な紋へ昇華したものとして、実用の道具に由来する力強さと奥ゆかしい品格を備えています。

本作は、笄本体の表裏から穂先まで薄い金板を着せた金着せの造りで、胴には深い黒色の赤銅魚々子地板を嵌め、その上へ二本竹笹紋、笠紋、二本竹笹紋の順に金色の紋を配した、黒と金の対照が鮮やかな一作です。魚々子は細かな粒を隙間なく打ち揃え、光を柔らかく受け止める静かな地として仕立てられており、その上に置かれた紋はふっくらとした高彫によって量感を持たせることで、正面からは格調ある金の輝き、斜めからは紋の厚みと魚子の粒立ちが際立ち、見る角度に応じて表情を変えます。

左右の二本竹笹紋は、並び立つ竹の節とそこから開く笹葉を左右へ整然と展開し、葉の中央には稜線を通して一枚ごとの重なりを明瞭に表す一方、中央の笠紋では丸みを帯びた笠の面、下へ連なる緒の輪、両端の結びまでを細かく彫り分け、小さな紋の中へ実物の構造を巧みに凝縮しています。三つの紋を等間隔に並べ、同形の竹笹紋で笠紋を挟む構成は左右の均衡がよく、細長い笄の画面に安定したリズムを生み出すとともに、異なる紋を一具へ取り合わせた由緒を想像させる点も収集上の興趣となっています。

地板の周囲は小縁に沿って端正に整え、耳の下には向かい合う蕨手を表して画面の始まりを引き締め、そこから胴、棹、穂先へと金着せの明るい地が続くため、黒い赤銅魚々子地があたかも一幅の額のように鮮明に浮かび上がります。裏面には文様を置かず、細かな仕上げの線を残した金着せの面を広く見せることで、表の濃密な紋章表現との対照を作り、長い年月を経て生まれた金色の濃淡も、古い刀装具ならではの落ち着きと奥行きを添えています。

21.4センチの伸びやかな姿に、赤銅魚々子地の深い黒、金色を主体とした明快な配色、緻密な魚々子と肉厚な紋の対照を備え、遠目には家紋意匠の格調を、手元では竹葉、笠の緒、蕨手に至る細部の仕事を味わえるところが本品の大きな魅力です。拵へ合わせれば黒漆塗や金梨子地など幅広い鞘塗へよく映え、単体で飾っても細長い画面へ凝縮された紋章美が確かな存在感を示すため、家紋を題材とした刀装具、赤銅魚々子地と金色絵の組み合わせ、武家の格式を感じさせる金工作品を好まれる方へおすすめしたい、華やかさと品格を兼ね備えた笄です。
寸法全長21.4センチ 幅12.9ミリ
時代江戸中期 The middle period of Edo era
鑑定書―
付属桐箱
重量重さ39.4グラム

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