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鳳凰図透鐔 無銘 -Mumei- 12-1866

通常価格:¥242,000 税込
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鳳凰図透鐔
無銘
-Mumei-

縦73.1ミリ 横68.55ミリ 切羽台厚4.4ミリ
重さ65.4グラム
江戸中期 The middle period of Edo era
附属 桐箱


鳳凰は徳の高い君主が治める泰平の世に現れると伝えられる瑞鳥で、天下泰平、繁栄、高貴を象徴する吉祥性の高い画題として、古くから絵画や染織、漆芸、刀装具に採り上げられてきました。鶏を思わせる冠羽、優美に伸びる頸、豊かな翼、長く翻る尾羽を併せ持つ幻想の鳥は、写実的な鳥とは異なる華麗さを備え、武具へ威厳と祝意を添える意匠としてもよく映えます。

本品は首を左へ向けた鳳凰を鐔面いっぱいに配し、頭部から翼、長く伸びる尾羽までを一続きの透かしによって表した構成で、鳳凰の身体を切羽台の右側へ置き、翼を上方へ広げながら、幾筋もの尾羽を左回りに鐔面へ優雅に巡らせています。大きく弧を描く尾羽が切羽台の上下を包み、互いに重なりながら耳へ連なるため、限られた円形の画面に瑞鳥の伸びやかな動勢と円環状のまとまりが生まれ、余白として抜かれた空間も羽根の流れを引き立てる造形の一部となっています。

鉄地には毛彫と浅い肉彫を巧みに使い分け、翼や頸、尾羽に重なる羽毛を一本ずつ丁寧に刻すことで、黒々とした地へ柔らかな羽根の質感と奥行きを与えています。眼、喉元、頭上へ伸びる冠羽などには金象嵌を施し、深い鉄色の中へ黄金色の光を置くことで鳳凰の表情と華やかさを際立たせており、正面からは金の意匠が力強く浮かび、角度を変えると毛彫の細線と肉彫の陰影が次々に現れます。

耳は数珠繋ぎ状の細かな凹凸を一周にわたって巡らせ、豊かな尾羽の曲線を受け止める装飾的な縁取りとして画面全体を引き締めています。裏面は表面の鳳凰をその裏側から見た姿として彫り表されているため、単に表の意匠を繰り返すのではなく、鐔を返すことで羽根の重なりや身体の向きを別の視点から辿ることができ、表裏を通して一羽の鳳凰を立体的に鑑賞できる趣向です。

瑞鳥の格調、鉄地透かしの軽快さ、細密な羽毛表現、要所に輝く金象嵌、数珠繋ぎ状の耳という複数の見どころが調和し、黒漆鞘へ合わせれば金の細部が鮮やかに浮かび、明るい鞘へ掛ければ複雑な透かしが影絵のように際立ちます。吉祥画題としての意味を楽しむことはもちろん、手元で表裏を返しながら彫りと透かしの変化を見込める、装飾性と鑑賞性に富んだ魅力的な鐔です。
寸法縦73.1ミリ 横68.55ミリ 切羽台厚4.4ミリ
時代江戸中期 The middle period of Edo era
鑑定書―
付属桐箱
重量重量65.4グラム

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