木葉繋透鐔 無銘 -Mumei- 12-1863
通常価格:¥121,000
税込
木葉繋透鐔
無銘
-Mumei-
縦72.8ミリ 横69.4ミリ 切羽台厚4.6ミリ
重さ65.0グラム
江戸前期 The early Edo period
附属 桐箱
鉄地透鐔は、鉄を残して文様を形づくり、その周囲を大きく透かすことで、地金の力強さと余白の軽やかさを一枚に共存させた刀装具で、本品は木葉をつなぐ簡潔な意匠を八つ木瓜形の輪郭に収め、黒褐色の鉄一色でありながら視線を引きつける、端正で味わい深い一枚です。
耳は八角形を基調に各辺をやわらかく張り出させた八つ木瓜形とし、中央の切羽台から左右へ伸びる細長い木葉を三葉ずつ配して、葉先が外へ開くような動きを与えています。左右の葉を結ぶ鉄線は細さと厚みを使い分け、耳に達するまで途切れずに続くため、大きく抜いた地透にも確かなまとまりがあり、鐔を手に取って向きを変えるたびに、輪郭と葉の重なりから異なる表情が現れます。
切羽台の上下には四つ木瓜形の小透かしを置き、左右へ広がる木葉の動きを縦方向から受け止めるとともに、八つ木瓜形の外郭とも静かに響き合わせており、上下左右の均衡を保ちながら、単なる左右対称に終わらない意匠の工夫が見られます。幅広く取った切羽台と細く渡した木葉、外を囲む耳とのあいだに白い余白が大きく広がるさまは、光を通して眺めるほど輪郭を鮮明にし、装いに取り合わせた際には鞘の色を映して景色を変えます。
表裏でつながる透かし際には時代を経た穏やかな丸みが見られ、耳のわずかな起伏と落ち着いた鉄肌も手元で傾けてこそ味わえる見どころで、過度な飾りを排して木葉と木瓜の形を練り上げた本品は、拵に掛けて楽しむにも、手元で鉄と余白の妙をじっくり鑑賞するにもふさわしい魅力を備えています。