桐紋繋透鐔 無銘(京透) -Mumei (Kyo-sukashi)- 12-1843
通常価格:¥264,000
税込
桐紋繋透鐔
無銘(京透)
-Mumei (Kyo-sukashi)-
縦80.7ミリ 横80.4ミリ 切羽台厚5.2ミリ
重さ91.0グラム
江戸前期 The early period of Edo era
附属 保存刀装具鑑定書
京透は山城国の京都を中心に発達した鉄地の透鐔で、よく鍛えた鉄を端正な輪郭へまとめ、細い鉄線と透かした空間の均衡によって文様を浮かび上がらせる優美な作風に特色があり、本品も無銘ながら日本美術刀剣保存協会の保存刀装具鑑定書によって京透と極められた、同派ならではの緻密な図案と整った構成を味わえる一枚です。
画題の桐紋は古くから宮廷や武家に用いられてきた格式ある文様で、本品では一つの紋を大きく据えるのではなく、花と葉の姿を繰り返し繋いで丸耳と切羽台の間いっぱいに広げており、遠目には一幅の織物を思わせる規則正しい景色となり、近づけば小さな桐の一つひとつが浮かび上がって、同じ意匠を反復しながらも眺める距離によって印象を変えます。
小さな桐紋の花序と葉先を細い鉄線で隣の紋へ結び、その接点を幾重にも重ねながら耳と切羽台へ繋ぐ透かし仕事には確かな図案力と手数が要り、厚みを保った鉄地をここまで細かく抜きながら全体の均衡を崩さず、丸耳の力強い輪郭と内部の軽やかな文様とを一枚の鐔に両立させています。光を通せば鉄線の細さと透かしの連続が明瞭になり、表裏を返し、角度を変えるほど黒褐色の鉄と余白が織りなす陰影を楽しめます。
大振りな丸形に密な桐紋を収めながら窮屈さを感じさせず、格式ある画題を端正で清々しい透かしへ昇華した本品は、保存刀装具鑑定書による京透の極めも心強く、桐紋を主題とする拵に取り合わせる楽しみはもちろん、光を背にして細密な構成を鑑賞するにも魅力的な優品です。