無銘 -Mumei- 3-973
通常価格:¥198,000
税込
無銘
-Mumei-
刃長45.2センチ 反り1.0センチ
元幅30.9ミリ 物打幅23.9ミリ 横手位置幅21.15ミリ
元重ね6.75ミリ 物打重ね4.7ミリ 松葉先重ね4.4ミリ
目釘穴1個
裸身重量435グラム
室町時代末期~江戸時代前期 The late Muromachi to early Edo period
昭和37年8月17日 千葉県登録
附属 素銅地上貝蔦紋入金鍍金二重はばき、白鞘
本作は室町時代末期から江戸時代前期にかけて制作されたと考えられる、鎬造、庵棟の脇指です。刃長45.2センチに対して元幅30.9ミリを確保し、元先の幅差が頃合いよく開いて中切先へ結ぶ姿には均整が取れており、反りを穏やかに配した輪郭と相俟って、戦国の気風を残しながら近世刀の端正さへ移り変わる時期ならではの趣を感じさせます。裸身重量435グラムという手持ちにも適した量感を備え、刃肉を保った健全な姿には、実用に耐える堅実さと鑑賞刀としての品格がよく調和しています。
地鉄は小板目に杢目を交えてよく錬れ、詰んだ肌の内へ細やかな地景が入り、部分的にわずかに肌立つことで単調にならない奥行きを生み出しています。光を受ける角度によって杢目のうねりと地景が静かに浮かび、落ち着いた鉄色の中に鍛錬の確かさを味わえる点が本作の大きな見どころで、刃文は直刃調を基調としながら互ノ目と互ノ目足を交え、刃縁には細かな砂流がかかって、穏やかな構成の中にも随所に変化を見せます。その焼刃は切先まで破綻なく続き、鋩子は直ぐに進んで先丸く返る素直な仕立てとなっており、姿、地鉄、刃文を順に追うほど古刀末期から新刀初頭へ連なる作風の魅力を堪能できます。
茎は生ぶで、目釘穴は一個、鑢目には檜垣鑢が施されており、無銘であるため特定の刀工へ安易に極めることはできませんが、手を加えられていないとみられる茎と整った姿、よく錬れた地鉄、直刃調へ互ノ目と砂流を交えた地刃の出来が、この脇指そのものの確かな見応えを物語ります。さらに、素銅地へ蔦紋を配して金鍍金を施した二重はばきは、刀身の落ち着いた景色へ格調ある華やかさを添え、長く大切に伝えられてきた由緒を想像させる魅力的な附属品です。
白鞘に納められ、室町末期から江戸初期の時代性、地鉄を見込む楽しみ、伝来を感じさせる二重はばきを一体として味わえる、収蔵にも相応しい一振です。