摂津住盛綱 -Settsu ju Moritsuna- 3-971
通常価格:¥1,320,000
税込
摂津住盛綱
-Settsu ju Moritsuna-
刃長45.7センチ 反り1.1センチ
元幅29.2ミリ 元重ね6.8ミリ
物打幅22.6ミリ 横手位置幅20.1ミリ
物打重ね5.0ミリ 松葉先重ね4.65ミリ
目釘穴1個
裸身重量428グラム 拵に納めて鞘を払った重量673グラム
昭和27年7月22日 高知県登録
附属 印籠刻鮫研出鞘脇指拵、白鞘、継木、素銅地銀着はばき
盛綱と銘切る新刀期の刀工は銘鑑に阿波と筑前の二工が見られるものの、いずれも摂津の住人とは記されておらず、本工は銘鑑漏れの刀工、あるいは先の二工のいずれかが一時的に摂津に住して作刀した可能性が考えられますが、茎の銘には偽銘を疑わせる不自然さがなく、正真作と鑑て差し支えないうえ、地刃の充実ぶりは特別保存刀剣審査にも十分に通用するほどで、伝承に頼らず実物の出来からその力量を味わえる一振です。
本作は元先の幅差が頃よく開き、延びごころの中切先へ結ぶ姿には端正さと力強さが同居し、地鉄はよく錬れて詰んだ小板目に地沸が厚く付き、地景が織り込まれて精美な肌合いを見せ、匂口明るく冴えた互ノ目の刃文には砂流が頻りにかかり、飛焼が加わって単調さのない景色を生み、鋩子は直ぐ調に先丸く長く返るなど、静かな地の美しさと躍動する刃中の働きを追うほどに鑑賞の楽しみが深まります。
昭和27年7月22日に高知県で登録されたという記録に接すると、旧土佐藩主山内家や同家を支えた高禄の家臣の手を経た可能性にも思いが及びますが、伝来を直接裏付ける資料は確認されておらず、由緒を断定することはできないものの、堂々たる刀身と丹念に誂えられた拵が一具として今日まで伝わる姿は、その来歴に想像を誘います。
附属する印籠刻鮫研出鞘脇指拵も刀身に劣らぬ見どころを備え、鞘に付く返角には薩摩拵の様式が見られるうえ、縁頭に表された舟を漕ぐ猿、釣りをする猿、魚籠を運ぶ猿に、鐔では鮑を盃に見立てて手を伸ばす猿が加わり、海辺の営みを題材にした小さな物語を織りなすように呼応し、いずれの金具も細部まで仕事がよく、研出鞘とともに拵全体へ豊かな風情を与えています。
小柄と笄には鞭の図、目貫には芥子の図を配し、金着切羽と素銅地銀着はばきまで丁寧に整えられているほか、小柄に納まる真鍮地の小刀には「國友充胤造之」と銘が切られ、刃文を銀で描いており、鉄砲鍛冶による作品であることがうかがえます。拵に納めて鞘を払った重量は673グラム、鐔鳴りは僅かで柄のがたつきもほぼなく、さらに白鞘まで附属するため、地刃の出来と猿図金具の妙を一揃いで楽しみたい愛刀家に薦めたい品です。