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破笠蜂図小柄 如竹 -Jochiku- 16-237

通常価格:¥385,000 税込
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破笠蜂図小柄
如竹
-Jochiku-

全長97.0ミリ 幅15.0ミリ 重さ40.0グラム
江戸中期~後期 The middle to latter Edo period
附属 桐箱


破れ笠と蜂という取り合わせは、使い込まれて骨の露わになった笠の侘びた風情と、力強く羽ばたく蜂の生命感を一つの画面へ収めた、意表を突く趣向の画題です。端正に整った器物ではなく、破損した笠をあえて主題に据えることで、長い年月を経た物の味わいや、身近な景物の中に美を見いだす江戸金工らしい洒脱な感覚が表れ、そこへ大きな蜂を組み合わせることによって、静かな古物と鋭い動きとの鮮明な対照が生まれています。

本品は深く澄んだ黒色を呈する赤銅魚子地を舞台とし、中央から左へ破れ笠を大きく配し、その右に迫力ある蜂を肉高く表しています。笠は中心の丸い部分から幾重にも巡る竹骨を細やかに彫り分け、ところどころに残る笠材や骨を留める箇所へ色金を配することで、壊れた姿でありながら複雑で見応えのある造形へ昇華しており、円形の笠を画面の中央で大胆に断ち切る構図も、細長い小柄の空間に強い動きと奥行きを与えています。

とりわけ蜂の造形は見応えがあり、頭部、胸部、節を重ねた腹部から折れ曲がる六本の脚、左右へ大きく開いた翅に至るまでを立体的に彫り起こし、腹部には金色と赤銅の黒を交互に響かせて特有の縞と量感を際立たせています。翅へ刻まれた長く流れる筋は硬質な金属に軽やかさを与え、笠の上へ舞い降りようとする一瞬の羽音まで想像させる一方、画面左へ覗く折れた部材や、入り組んだ笠骨の間に生じる陰影は、蜂の華やかな輝きを引き締めながら破れ笠の侘びた表情を深めており、精密な魚子、高低差に富む据紋、色金の効果的な配色が一体となった仕事には、作品そのものの確かな技量がうかがわれます。

縁には金の薄板を巡らせ、裏面にも金の薄板を着せて細かな鑢目を施し、表面の黒い赤銅魚子地を鮮烈に引き締めています。正面では破れ笠の緻密な構造と蜂の力強い姿を、斜めからは据紋の豊かな立体感と縁を走る金の輝きを、裏返せば一面に広がる金色と手仕事の鑢目を楽しむことができ、侘びた器物と華やかな昆虫、深い黒と明るい金という対照が、眺める角度ごとに異なる表情を見せます。作者名に頼ることなく、題材の面白さ、彫技、色彩、構成力そのものによって鑑賞者を強く惹き付ける、ひときわ存在感のある魅力豊かな一口です。
寸法全長97.0ミリ 幅15.0ミリ
時代江戸中期~後期 The middle to latter Edo period
鑑定書―
付属桐箱
重量重さ40.0グラム

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