柳椿鷺鶺鴒図小柄(一竿子忠綱銘小刀付) 無銘 -Mumei- 16-226
通常価格:¥165,000
税込
柳椿鷺鶺鴒図小柄(一竿子忠綱銘小刀付)
無銘
-Mumei-
小刀を含めた全長213.2ミリ 小柄の全長97.5ミリ 幅14.6ミリ 小刀を含めた重さ45.3グラム
江戸中期 The middle Edo period
附属 桐箱
柳は細くしなやかな枝を垂らす姿から風雅と旺盛な生命力を、椿は寒中にも艶やかな花を咲かせることから忍耐、長寿、吉祥を象徴する植物。そこへ鷺と鶺鴒を添え、異なる樹木と鳥の姿を一幅の花鳥画のようにまとめることで、細長い小柄の画面へ季節の気配と豊かな生命感を凝縮した画題です。
穏やかな黄金色を呈する宣徳地を背景として、上方に枝を垂らす柳、その下に銀の鷺と赤銅の鶺鴒を上下に配した、縦の流れが美しい構成。鷺は首を大きく曲げ、銀の柔らかな光沢によって羽の重なりと身体の丸みを際立たせる一方、左方を望む鶺鴒は深い赤銅色の身体へ金の眼を一粒添え、その小さな輝きによって引き締まった姿に生気を宿しています。
下方の椿は枝葉を赤銅で表し、宣徳地の明るい色調へ深い黒味を重ねる仕立てです。大きく開いた花には金色絵を施し、花弁の起伏へ集まる光を華やかな焦点としながら、枝先の小さな蕾と思われる部分には素銅を用いて、金色の花、赤銅の枝葉、素銅の蕾という色金の移ろいから、咲き進む椿の生命感まで繊細に伝えています。
柳の幹も輪郭を線で示すだけではなく、表面へ細かな凹凸を付けたうえで金色絵を施しており、一様な金の面とは異なる細やかな明暗が、荒れた樹皮と歳月を重ねた樹木の風格を巧みに表現しています。流れるような柳の枝から銀の鷺、赤銅の鶺鴒、金色の椿へと視線が導かれ、宣徳、銀、赤銅、素銅、金色絵が一つの景色の中で過不足なく響き合うところも見どころです。
附属する小刀には「一竿子忠綱」の銘が切られており、柔らかな花鳥の情景と刀工銘を備えた刀身の引き締まった姿を一口で鑑賞できる点も大きな魅力。鳥ごとに地金を使い分け、椿の花、枝葉、蕾、柳の幹に至るまで素材と技法を細かく変化させた、江戸中期の色金表現を存分に楽しめる華やかで見応えある小柄です。