花束図小柄 無銘 -Mumei- 16-217
通常価格:¥132,000
税込
花束図小柄
無銘
-Mumei-
全長99.6ミリ 幅14.1ミリ 重さ24.4グラム
江戸中期~後期 The middle to late Edo period
附属 桐箱
花束図は、異なる姿の花、蕾、葉を一つに束ね、季節の生命力と自然の豊かさを凝縮して見せる意匠であり、個々の草花を写実的に鑑賞する楽しみに加え、複数の植物が調和する姿へ繁栄や良縁への祝意を重ねています。紐で結ばれた花束は、長く伸びる茎葉と咲き集う花々を一つの流れへまとめ、細長い小柄の画面にもよく映える華やかな画題として刀装具に採り上げられてきました。
本品は深い黒色を呈する赤銅魚子地を背景とし、幾重にも花弁を重ねた大小の草花を赤銅の高彫でふっくらと表し、その間から伸びる茎、丸みを帯びた蕾、広く展開する葉へ金色絵を施して、黒と金の鮮明な対照の中へ花束の量感と奥行きを作り上げています。密に咲き集う花々から葉脈を刻んだ大葉、根元を引き締める結び紐へと視線が自然に流れ、細長い小柄の画面を余すところなく生かした構成には、装飾性の高さと確かな彫技がうかがわれます。
正面では金色の葉が光を受けて大きく立ち上がり、その奥から赤銅の花々が静かに浮かび、角度を変えるたび高彫の陰影と魚子の繊細な粒立ちが異なる表情を見せます。裏面は赤銅磨地を簡潔に仕立てることで表の華麗な意匠を一層引き立て、特定の一種へ限定せず、姿の異なる草花を一束へまとめた構成だからこそ、花弁、蕾、葉、茎の変化を余すところなく楽しめ、赤銅の深い色合い、豊かな金色絵、立体的な花葉を一口で存分に味わえる、展示映えのする魅力的な小柄です。