波千鳥図鐔 無銘(庄内) -Mumei (Shonai)- 12-1793
通常価格:¥220,000
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波千鳥図鐔
無銘(庄内)
-Mumei (Shonai)-
縦85.2ミリ 横78.8ミリ 切羽台厚3.6ミリ 重量156.0グラム
江戸中期~後期 The middle to late Edo period
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
庄内金工は出羽国庄内藩の城下を中心に発達し、土屋安親を生んだ土地の伝統を背景として、鉄や四分一などの地金へ鋤出彫、片切彫、据紋象嵌、金銀色絵を巧みに組み合わせ、質実な地味の中へ洗練された自然景を表す作風を育みました。写生的な鳥や波、虫魚を余白豊かに配する作品には、華美へ傾かず一瞬の動きを捉える庄内金工ならではの静かな詩情が宿ります。
波千鳥は、寄せては返す波を小さな千鳥が群れをなして越える姿から、困難を共に乗り越える結束、夫婦円満、家内安全を象徴する吉祥画題であり、本品では大振りの撫角形鉄地を広い海空に見立て、表には五羽、裏には二羽の千鳥を弧を描くように飛翔させ、その下へ渦巻く波濤を低く配することで、鳥たちが風を受けて海上を渡る瞬間を伸びやかに描き出しています。
千鳥は金、四分一、赤銅を交用いて一羽ごとの羽ばたきと向きを丁寧に変え、脚や嘴、眼まで細やかに仕立てる一方、波頭は鉄地から量感豊かに彫り起こし、飛沫へ散らした金銀の粒が光を受けるたび海面のきらめきのように現れます。小柄の櫃孔を赤銅で埋めた落ち着いた配色、広い余白、軽く打ち返した耳が画面を引き締め、遠目には端正な大鐔、手元では色金と鏨の精緻な仕事を味わえるため、庄内金工の品格と波千鳥の祝意を兼ね備えた、鑑賞の中心に据えたい一枚です。