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舟頭干網図鐔 無銘(会津正阿弥) -Mumei (Aizu Shoami)- 12-1785

通常価格:¥220,000 税込
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舟頭干網図鐔
無銘(会津正阿弥)
-Mumei (Aizu Shoami)-

縦84.5ミリ 横79.0ミリ 切羽台厚3.3ミリ 重量163.0グラム
江戸中期 The middle Edo period
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱


会津正阿弥は、江戸時代に陸奥国会津を中心として活動した正阿弥系の刀装金工です。正阿弥派は各地に系統を広げ、会津においても多くの鐔工が活躍して独自の発展を遂げ、同地を代表する刀装金工の一派となりました。作風は一様ではなく、鉄地を主体として地透、肉彫、鋤出彫、毛彫、金銀や素銅による象嵌色絵など多彩な技法を用い、家紋、植物、動物、人物、故事、山水風景まで幅広い題材を表しています。堅牢な鉄の骨格に装飾性と絵画性を調和させた作品を数多く残しており、深みある鉄味と変化に富んだ意匠を楽しめるところに会津正阿弥の魅力があります。

舟頭干網図は、舟を操る船頭と漁の道具を水辺の景観に取り合わせ、人々の営みと自然の広がりを一つの画面に描く風俗画題で、舟を進める身体の動き、岸辺を渡る風、波音の余韻まで想像させるところに趣があり、限られた鐔面の中で舟、人物、岩山、波、霞、干網を表裏に配して一続きの物語を成立させるには、彫技のみならず優れた構成力が求められます。

本品は堂々とした撫角形の鉄地を広大な水辺に見立て、表の右側へ切り立つ岸壁を鋤出高彫で力強く起こし、その岩肌に生える笹を金で浮かび上がらせ、下方には細長い舟と長い棹を手にした船頭を置いて、静かな水面を今まさに進んでいく一瞬を捉えています。舟の下には幾重にも波を彫り込み、ところどころへ金色の飛沫を散らすことで、黒褐色の鉄地の中に水の動きと光のきらめきを生み、人物の小さな姿と大きな岸壁を対照させた構図が、限られた鐔面を雄大な山水へと広げています。

上方は画面を一段浅く鋤き下げ、輪郭を明瞭に描き切らず霞が水辺を包むような地景として扱っており、近景の岩山と舟を力強く見せながら、その背後へ空気を含んだ遠景を導く巧みな遠近表現となっています。裏面は左下へ張り渡して干された網を簡潔に表し、表の舟行きの後に漁の営みを静かに残すことで、華やかな表と余韻ある裏が呼応し、鐔を返すたび同じ水辺を異なる時の流れから眺めるような奥行きを味わわせます。

両櫃孔には鉛様の銀灰色金属を嵌め込み、その表面へ細かな鏨目を重ねており、左右に置かれた柔らかな灰色が黒褐色の鉄地、岸壁の深い陰影、笹と波飛沫の金色をつなぐ静かな色調として働いています。古様な茎孔、槌味を残した地肌、薄手ながら大振りで張りのある地鉄、丸耳の穏やかな輪郭、鋤き下げによって霞を表す大胆な構成で、遠目には深山を行く一艘の舟、手元では船頭の所作、笹、波飛沫、干網へと発見が続く、会津金工の鉄味と絵画性を存分に楽しめる見応えある一枚です。
寸法縦84.5ミリ 横79.0ミリ 切羽台厚3.3ミリ
時代江戸中期 The middle Edo period
鑑定書保存刀装具鑑定書
付属桐箱
重量重量163.0グラム

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