四方蕨手透菊唐草文鐔 無銘 -Mumei- 12-1762
通常価格:¥55,000
税込
四方蕨手透菊唐草文鐔
無銘
-Mumei-
縦84.8ミリ 横84.8ミリ 切羽台厚5.2ミリ 重量143.0グラム
江戸前期~中期 The early to middle Edo period
附属 桐箱
蕨手は芽吹く蕨の先端が巻き込む姿を図案化した文様で、成長、再生、生命力を象徴し、菊唐草は長寿や高潔を表す菊と、絶えることなく伸びる唐草を組み合わせた吉祥文であり、この二つを同じ鐔へ重ねることで、力強い大透と繊細な地文、抽象的な渦と植物の細部を同時に楽しめ、本作は四方へ蕨手を均等に配し、残した地へ菊唐草を彫り込むことで、大径の丸形を荘厳な正面構成へまとめています。
大きな丸形鉄地に、四つの蕨手を切羽台の周囲から耳へ向けて透かしており、渦を巻く開口は上下左右に対応し、両櫃孔を挟みながら強い対称性と安定感をつくり、透かしの間に残された地板には菊花と唐草を細密に刻み、耳際まで文様を連続させており、厚みと重量の肉厚な地は、広い透かしにもかかわらず力強く、黒褐色の地に浮かぶ細線と開口部の明暗が豊かな層を生み出します。
遠目では四方の大きな渦が力強く映り、近づけば菊唐草の細密な鏨仕事が現れるため、距離によって異なる印象を楽しめ、大振りの堂々とした大きさと厚みは鑑賞台でもよく映え、拵へ据えた際にも強い正面性を示し、吉祥文を重ねながら色金に頼らず鉄一色でまとめているため、華やかさの中にも武具らしい厳しさがあり、大振りの透鐔、地文鐔、蕨手文を求める方に満足度の高い一枚です。
大透の明快さと菊唐草の細密さが一枚の中で競い合い、各所に施された銀布目象嵌の縁取りと控えめに施された金布目象嵌など、離れて見れば力強い四方構成、近づけば鏨の連続が生む豊かな表情へと印象が移るため、展示の中心となる大鐔を探す方にも、吉祥文と鉄骨の技を同時に味わいたい方にも応える見応えがあります。