栗葉に露図鐔 無銘 -Mumei- 12-1758
通常価格:¥22,000
税込
栗葉に露図鐔
無銘
-Mumei-
縦72.6ミリ 横72.4ミリ 切羽台厚4.4ミリ 重量119.6グラム
江戸中期~後期 The middle to late Edo period
附属 桐箱
栗は実りを象徴する植物であり、栗の実を搗いて乾かした搗栗が「勝栗」に通じることから、武家にも好まれた縁起のよい画題です。本品は栗の実そのものを前面へ押し出すのではなく、細長い葉とそこに宿る露を主役とし、素朴な鉄味の中に秋の気配を静かに映した作で、伸びやかな彫口と落ち着いた古色から江戸中期から後期の制作と考えます。
三枚を一組とする栗葉が鐔面の左右から向かい合うように広がり、中央の主脈から斜めに走る側脈まで力強く彫り表されています。その間には小さな丸い刻印を数多く打った意匠不明の彫りを配し、要所へ施された点状の金象嵌が葉上の露となって暗い鉄地に小さな光を添え、片側の小柄櫃孔を含む広い余白が文様の動きをいっそう際立たせています。
細密さを競う都会的な彫金とは異なり、土の匂いを感じさせる肌と大らかな植物表現に魅力があり、眺める角度を変えると彫りの高低が柔らかな陰影となって現れます。金の点景も控えめで古色を損なわず、渋い鉄鐔を好みながら図柄には温かみを求める方に向く、手元でじっくり育てて楽しみたい一枚です。