梅菊紋刻印透鐔 無銘 -Mumei- 12-1755
通常価格:¥33,000
税込
梅菊紋刻印透鐔
無銘
-Mumei-
縦71.4ミリ 横71.1ミリ 切羽台厚4.1ミリ 重量80.5グラム
江戸前期~中期 The early to middle Edo period
附属 桐箱
梅は厳寒の中でいち早く花を開くことから忍耐と再生を、菊は長寿と高潔を象徴し、いずれも武家の家紋や刀装具に好まれてきました。
本品ではこれらを主文様として大きく彫り表すのではなく、耳に梅花形と菊花形の刻印を複数打ち、その控えめな文様を鉄肌の景色へ溶け込ませています。
地板中央の透かしは、現状では特定の器物や文様へ断定できません。楕円形の切羽台を囲んで太い曲線と大小の透かしが連なり、上方と下方には弧状の空間、左右には櫃孔と響き合う輪郭を配した抽象性の高い構成で、題意を一つに決めず形と余白の釣り合いそのものを楽しめるところに、この鐔ならではの面白さがあります。
耳から地板へ続く表面には鎚跡を思わせる細かな起伏と深い黒褐色の古色が広がり、刻印は摩耗によって強弱を帯びながら、長い年月を経た鉄の中から静かに浮かび上がります。均一に整えすぎない透かし際と柔らかな丸耳にも古作らしい味わいがあり、江戸前期から中期の鉄鐔として、意匠を読み解く楽しさ、素朴な鉄味、梅と菊の吉祥性を併せて鑑賞できる個性豊かな一枚です。