菊花透鐔 長州住友久 -Choshu ju Tomohisa- 12-1735
通常価格:¥275,000
税込
菊花透鐔
長州住友久
-Choshu ju Tomohisa-
縦72.0ミリ 横67.0ミリ 切羽台厚4.4ミリ 重量74.9グラム
江戸中期 The middle Edo period
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
長州藩では、鐔を他藩へ移出して藩の財源とするため、その製作を積極的に奨励しました。こうして萩を中心に金工文化が大きく発展し、数多くの鐔工と作品を生み出した長州は、やがて「東の会津、西の長州」と並び称されるほどの一大産地となりました。
長州鐔の作風は一つに括れないほど多岐にわたり、特定の様式だけを共有する流派は少ないものの、河治・中井・岡本・岡田・金子・中原・藤井・井上・八道の各家が比較的著名です。それぞれの家が鉄地の彫りや透かし、象嵌に独自の工夫を凝らし、多彩な作品を残しています。本銘の友久は江戸中期に長州で活躍した鐔工で、河治派別家三代に数えられ、精緻な肉彫透を得意とした名工です。
本作は竪丸形の鉄地に複数の菊花を配し、蕾、葉、枝を連ねながら肉彫地透で表した華やかな一枚です。幾重にも重なる花弁は一枚ずつ丁寧に肉彫され、咲き開く花と固く結んだ蕾、しなやかに巡る枝葉を取り合わせることで、縦に伸びやかな輪郭の内に奥行きと生命感に満ちた菊の情景を構成し、耳は丸耳に仕立てられています。
花芯や蕾、葉の要所には金色の象嵌を添え、深い黒褐色を呈する鉄地の中に明るい彩りを散らしています。表から裏へ連続する枝葉と大小の透かしが見る角度ごとに陰影を変え、長州金工らしい巧緻な鏨使いと均整の取れた構成を存分に味わわせます。
友久の技量と菊花意匠の格調を伝える、鑑賞性に優れた長州鐔です。