山水図鐔 無銘 -Mumei- 12-1731
通常価格:¥22,000
税込
山水図鐔
無銘
-Mumei-
縦54.6ミリ 横40.7ミリ 切羽台厚3.8ミリ 重量42.3グラム
江戸時代 The Edo period
附属 桐箱
山水図は山岳や渓谷、そこに点在する楼閣や庵を一つの景観として表す意匠で、雄大な自然の中に人の営みを小さく配することにより、幽玄な奥行きと閑雅な趣を生み出す画題として刀装具にも好んで用いられています。
本作は黒褐色を呈する鉄地を木瓜形に仕立て、表面右側の大きく張り出した鉄地を切り立つ山肌に見立て、その裾に素銅象嵌で表した屋根をのぞかせることで、険しい山中にひっそりと建つ庵を望む山水景を描き出しています。
山肌には大小の素銅象嵌を点在させ、深い鉄色の中へ温かな赤銅色を浮かび上がらせることにより、岩間に茂る草木や山中を彩る景物を思わせる変化を添え、下方に置かれた屋根へ視線を導く簡潔で余情豊かな構成となっています。
左側を外縁へ大きく開いた食出鐔の造形は、険しい岩壁の傍らに広がる渓谷の空間を思わせ、表裏で開口の向きが反転することで山道を巡りながら景色を眺めるような趣を生み出し、小振りな寸法の中に山容、庵、余白を巧みに収めた洒脱で鑑賞性の高い一枚です。