岩上松唐草図鐔 若芝作 -Jakushi- 12-1720
通常価格:¥38,500
税込
岩上松唐草図鐔
若芝作
-Jakushi-
縦80.2ミリ 横80.1ミリ 切羽台厚4.0ミリ 重さ126.8グラム
江戸中期 The middle Edo period
附属 桐箱
若芝は江戸初期に長崎で活動した画僧河村若芝を祖と仰ぐ鐔工一派で、代々「若芝」の名を受け継ぎながら、鉄地へ腐食を応用して図柄を浮かび上がらせるクサラカシと細やかな金布目象嵌を組み合わせ、異国情緒を帯びた絵画的な鐔を制作しており、本作も作者の代を特定するには至らないものの、「若芝作」の銘とともに、その特色ある表現をよく伝えています。
松は厳しい寒さにも緑を失わないことから長寿や不変、節操を象徴し、絶えることなく蔓を伸ばす唐草は繁栄を表す吉祥文様として親しまれてきましたが、本図では岩上に根を張る松へ金象嵌の唐草を絡ませ、裏面の下方に波を添えることで、風波に耐えながら枝を伸ばす松の生命力を雄大な水辺の景色の中に描き出しています。
直径約80ミリの堂々とした丸形鉄地に両櫃孔を開け、表には左下の岩から右方へ伸びる松樹を鐔面に沿って大きく配し、松葉や幹、岩の起伏を素朴で味わい深い彫りによって表すとともに、枝に絡む唐草を金の細線で描くことで、落ち着いた黒褐色の地鉄に明るい動きと華やぎを添え、裏にも松樹と唐草を展開しながら下方へ波濤を配し、表から続く景色に水辺の広がりと静かな余韻を与えており、滋味深い鉄肌の中に浮かぶ松の力強い姿と随所にきらめく金象嵌が響き合い、若芝一派が得意とした絵画的な構成と吉祥性を表裏にわたって楽しめる一枚です。