桶と柄杓図透鐔 銘 國廣 -Kunihiro- 12-1718
通常価格:¥60,500
税込
桶と柄杓図透鐔
銘 國廣
-Kunihiro-
縦79.6ミリ 横78.0ミリ 切羽台厚6.3ミリ 重さ124.5グラム
江戸後期 The late Edo period
附属 桐箱
國廣は江戸後期の鐔工で、鉄鐔を数多く制作した工人として記録されており、華麗な彫金や精緻な象嵌を主とせず、実際に刀装へ供する普通出来の鉄鐔を量産した鐔工と評されています。現在目にする作例も無地の板鐔が大半を占めるなか、本作は鐔面全体へ大胆な透彫を施した珍しい一枚であり、國廣の作域を知るうえでも興味深い作品です。
桶と柄杓は水を汲み、運び、用いるための身近な道具であり、日常の営みを映した親しみ深い意匠として古くから工芸品に取り上げられてきました。
本作では丸形の鉄地を大きく透かし、桶の円みや柄杓の長い柄を鐔の耳や切羽台へ巧みに結び付けることで、実用品を題材としながら軽快で変化に富んだ構図を形作っています。
左右の櫃孔も意匠の中へ自然に取り込み、直線と曲線、鉄の実と透かされた空間を均衡よく配した構成は、見る角度によって図柄の重なりや奥行きが変化し、素朴な題材の中に造形のおもしろさを感じさせます。
切羽台には國廣の銘があり、厚さ6.3ミリのしっかりとした鉄地には実用を重んじた堅牢さと落ち着いた鉄味が備わっています。
日頃見かける國廣の無地鐔とは趣を異にする透彫の作例として、作者の別趣を楽しめるとともに、武用にも鑑賞用にも取り合わせやすい一枚です。