人物渡橋図鐔 無銘 -Mumei- 12-1715
通常価格:¥33,000
税込
人物渡橋図鐔
無銘
-Mumei-
縦84.3ミリ 横78.2ミリ 切羽台厚3.0ミリ 重さ128グラム
江戸中期 The middle Edo period
附属 桐箱
橋は二つの場所を結び、人の往来や新たな縁を象徴するものとして、絵画や工芸品の題材に取り上げられてきました。本図では橋を渡る大小二人の人物を穏やかな風景の中に配し、旅の道中を思わせる静かな情景を表しています。
本作は大振りな竪丸形の鉄地に両櫃孔を開け、鐔面下方に橋と二人の人物を低く彫り表し、人物の衣服や橋の細部へ金色絵を添えることで、黒褐色の地鉄の中から物語の一場面がほのかに浮かび上がる構成としています。
意匠を鐔面の下方へまとめ、上部に広い余白を残した構図には遠景を思わせる奥行きがあり、橋を進む二人の姿を眺めるうちに、その先へ続く道や周囲の景色まで想像させる趣深い表現となっています。
大振りながら厚さを抑えた鉄地には時代を経た落ち着きのある肌合いが広がり、控えめな金色絵が景色に温かみを添えるとともに、素朴な人物表現と静かな余白が調和し、手に取るほどに情景の味わいが深まる一枚です。