月下草刈留守模様図鐔 無銘 -Mumei- 12-1714
通常価格:¥49,500
税込
月下草刈留守模様図鐔
無銘
-Mumei-
縦68.0ミリ 横62.4ミリ 切羽台厚2.9ミリ 重量71グラム
江戸中期 The middle Edo period
附属 なし
草刈留守模様は、野辺に残された鎌や草花によって、そこに姿の見えない草刈人の存在を暗示する意匠であり、人物を直接描くことなく、道具と周囲の景物から物語を想像させる日本美術ならではの余情を備えています。
本作は木瓜形の鉄地を舞台として上方に月を配し、右下には菊と大きく伸びる草葉、その傍らには草を刈る鎌を表しており、月明かりの下で仕事の手を休めた人物が、ひととき野辺を離れたかのような静かな情景を描き出しています。
菊や葉、鎌には赤銅、素銅、金、銀色の色金を交え、黒褐色を呈する鉄地へ控えめな彩りを添えるとともに、上方から右縁に沿って延びる細い線と、下方へ大きく広がる草葉によって鐔面を緩やかに繋ぎ、広く残された余白の中で視線が月から草花、鎌へと自然に導かれる構成となっています。
裏面には素朴な鉄肌を広く見せ、下方へ水紋を思わせる彫と小さな色金を散らして表の情景に余韻を持たせており、古風な木瓜形、趣のある鉄味、節度を保った色金の取り合わせから江戸中期らしい落ち着きが感じられ、秋の夜の静けさと留守模様に託された物語を味わえる一枚です。