糸巻四方蕨手透鐔 無銘 -Mumei- 12-1708
通常価格:¥44,000
税込
糸巻四方蕨手透鐔
無銘
-Mumei-
縦64.3ミリ 横59.3ミリ 切羽台厚4.9ミリ 重さ82グラム
江戸後期 The late Edo period
附属 桐箱
糸巻は糸を整えて蓄える道具であり、途切れることなく続く糸の姿から、人の縁や長久を想起させる意匠として刀装具にも取り入れられ、古くから用いられる蕨手と組み合わせることで、親しみやすさの中に古雅な趣を備えています。
本作は鉄地を鋳造によって成形し、角を丸く整えた隅入角形の輪郭に、鐔面の大部分を占める糸巻を大きく表し、その四隅へ内向きに巻く蕨手を透かすことで、簡潔でありながら印象に残る構図にまとめています。
中央の糸巻は切羽台と一体となって上下へ大きく広がり、その左右へ両櫃孔を開けることで形の特徴を明快に示しており、四方の蕨手が柔らかな曲線を添えるため、直線を基調とした外形と中央意匠に穏やかな動きが生まれています。
厚さ4.9ミリの量感を備えた鉄地には黒褐色の落ち着いた色調が現れ、太く力強い骨格と大きく取られた透かしがよく調和しており、糸巻と蕨手という素朴な文様を大胆に構成した、江戸後期らしい洒脱な意匠を楽しめる一枚です。