沢瀉に花菱透鐔 無銘 -Mumei- 12-1705
通常価格:¥88,000
税込
沢瀉に花菱透鐔
無銘
-Mumei-
縦78.2ミリ 横75.7ミリ 切羽台厚4.75ミリ 重さ76グラム
江戸前期 The early Edo period
附属 桐箱
沢瀉は水辺に育ちながら葉の姿が矢尻に似ることから「勝ち草」と称され、武家に好まれた縁起のよい植物であり、端正な花菱紋と組み合わせることで、武勇と繁栄への願いを穏やかな意匠のうちに表しています。
本作は丸形の鉄地を大胆に透かし、中央上部に花菱紋を掲げ、その左右から大きく弧を描く沢瀉の葉と茎をほぼ左右対称に配しており、切羽台を中心に文様が伸びやかに広がる明快な構成には、江戸前期の透鐔に通じるおおらかさと力強さが感じられます。
左右の沢瀉は細い茎を耳へ巧みに結びながら、下方の葉を大きく開いて鐔全体を安定させ、上部の花菱へ視線を導く均整の取れた造形となっており、広く取られた透間が軽快な印象を生み出す一方、要所には十分な鉄の量感が残されているため、実用の鐔としての堅牢さも備えています。
耳には銀覆輪を巡らせ、黒褐色の鉄地と銀の柔らかな光沢が鮮やかな対照を見せており、端正な家紋意匠、古調を帯びた鉄味、透かしの開放感を一度に楽しめる、堂々とした姿の一枚です。