雲に時雨図透鐔 会津住正阿弥 -Aizu ju Shoami- 12-1696
通常価格:¥88,000
税込
雲に時雨図透鐔
会津住正阿弥
-Aizu ju Shoami-
縦81.8ミリ 横81.2ミリ 切羽台厚5.6ミリ 重さ152グラム
江戸中期 The middle Edo period
附属 桐箱
会津正阿弥は、全国各地へ展開した正阿弥派のうち、会津を拠点に活動した鐔工の一派であり、鉄地の持ち味を生かした力強い造形を基調として、透彫や象嵌を取り合わせた趣深い作品を残しています。実用性を備えた堅牢な地鉄と、限られた色金を効果的に用いる装飾に特色があり、素朴な鉄味の中に会津金工らしい落ち着きと風格が感じられます。
本作は直径八センチを超える堂々とした鉄地丸形の鐔に、三か所の雲形を大胆に透かし、広い地の各所へ素銅と銀の細線を象嵌して、雲間から降り注ぐ時雨の情景を表した一品です。雲形の透かしを上下から斜めへ展開することで円形の画面に軽快な動きを与え、暗い鉄地を走る素銅の温かな色調と銀の澄んだ輝きが、雨脚の強弱や遠近を思わせる変化を生み出しており、装飾を抑えた構成でありながら、静かな雨空の情趣が豊かに伝わってきます。
表裏に共通する意匠を配し、切羽台厚5.6ミリ、重さ152グラムという量感を備えた地鉄には、長い年月を経て形成された深い古色と変化に富む肌合いが現れ、手にすると見た目以上の重厚さと確かな造りを感じられます。象嵌による素銅と銀の線は落ち着いた鉄色の中で美しく映え、雲形透の柔らかな輪郭と古雅な鉄味が一体となって、眺めるほどに雨音まで想像させる奥行きのある景色を作り出しています。力強い鉄、静かな透かし、控えめに輝く色金が調和した、拵に合わせても手元で鑑賞しても存在感を楽しめる会津正阿弥の一品です。