竹林高士図小柄 正春(花押) -Masaharu(Kao)- 16-203
通常価格:¥198,000
税込
竹林高士図小柄
正春(花押)
-Masaharu(Kao)-
小柄 長さ91.36ミリ 幅11.1ミリ 重さ15.2グラム
小刀を納めた全長14.46センチ 総重量22.6グラム
小刀 全長14.2センチ 刃長7.3センチ 重さ7.4グラム
江戸中期~後期頃 The middle to late Edo period
附属 小刀、桐箱
竹林高士は、俗世の喧騒を離れて学問や風雅に親しむ高潔な人物を表した画題であり、厳しい風雪にも節を曲げず青さを保つ竹とともに、清節を尊び自然の中に生きる文人の精神を象徴しています。
本作は細身の宣徳地を磨地に仕立て、画面上部に竹葉を配し、その下で書簡を手にする高士を高彫と毛彫を交えて表した小柄で、幅広の笠をかぶった人物は穏やかな表情を浮かべながら書簡へ静かに視線を落とし、長く流れる衣の姿と相まって、竹林にたたずむ高士の思索的な様子が情趣豊かに描き出されています。
顔や手、笠、衣の各部には異なる色金を巧みに取り合わせることで、落ち着いた黄金色を呈する宣徳地の中に豊かな色彩と立体感を生み出しており、人物の顔貌や衣の輪郭、裾を飾る細やかな文様、竹葉や足元の草に至るまで鏨を丁寧に働かせ、限られた画面の中に静かな竹林の情景を端正にまとめています。
裏面は艶やかな赤銅磨地とし、下方に「正春」の銘と花押を刻しており、明るく温かみのある宣徳地の表面と、深く落ち着いた黒色を呈する赤銅地の裏面が美しい対照を見せるため、表裏で異なる金属の色調と仕立てを楽しめます。
長さ91.36ミリ、幅11.1ミリという小形で細身の寸法から、稚児差などの小振りな拵に合わせて特別に制作されたものと考えられ、この種の小形小柄は現存する作例が少なく、一般的な寸法の小柄とは異なる希少性を備えています。宣徳地には時代を経た穏やかな古色と細かな擦れが見られるものの、人物の表情や衣文、竹葉の彫刻、色金による装飾はよく残されており、手に取って眺めるほどに精緻な鏨の働きと、小さな画面に凝縮された雅趣を味わえる収集価値の高い一品です。