仙人図小柄 無銘(水戸) -Mumei(Mito)- 16-202
通常価格:¥275,000
税込
仙人図小柄
無銘(水戸)
-Mumei(Mito)-
長さ97.55ミリ 幅14.5ミリ 重さ27.5グラム
江戸中期~後期頃 The middle to late Edo period
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
水戸金工は江戸時代中期以降に興隆し、とりわけ幕末には多くの名工が活躍しました。精緻な高肉彫を特色の一つとし、人物や龍虎、花鳥などを生き生きと表した刀装具に優れた作品を残しています。仙人を題材とする作例も伝わり、人物の表情や身振りを巧みに捉えた彫刻と、色金を取り合わせた豊かな表現が見どころとなっています。
本作は朧銀地の下方に仙人を鋤出高彫で表し、上方の意匠に銀・赤銅の平象嵌を取り合わせた小柄です。長い髭を蓄えた仙人は片腕を頭上へ回し、顔を上方へ向ける姿で表され、眉や目鼻の起伏、細く刻まれた髪と髭、衣の襞まで丁寧に彫り分けられています。金銀色絵による色調の変化も美しく、とりわけ帯や結び紐、衣の下部に配した金の輝きが、落ち着いた地色の中で人物を鮮やかに引き立てています。上方には扇状の意匠と渦を伴う雲形を配し、人物との間に広い余白を残すことで、仙人の見上げる動作が印象に残る構成としています。
表裏には濃淡のある古色と細かな擦れが見られ、朧銀地に味わいのある表情を与えています。人物の顔貌や髭、衣には細部の彫りが残り、手に取って眺めるほどに表情や鏨の働きを楽しめます。制作時期は江戸中期から後期頃と見られ、無銘ながら水戸と極められています。人物の立体的な彫刻と平象嵌の控えめな表現、そして余白を生かした構成が調和する、趣深い一品です。