雨龍図透鐔 無銘(南蛮) -Mumei (Nanban)- 12-1694
通常価格:¥132,000
税込
雨龍図透鐔
無銘(南蛮)
-Mumei (Nanban)-
縦71.8ミリ 横67.0ミリ 切羽台厚5.8ミリ 重量105.0グラム
江戸前期~中期 Early to Middle Edo period
附属 桐箱
南蛮鐔は桃山時代末から江戸時代にかけて流行した刀装具で、当時「南蛮」と総称された海外渡来の文物の影響を受けた意匠を特色とします。舶載品と考えられるもののほか、日本国内で南蛮風の意匠を取り入れて制作された作品も知られ、複雑な透彫や連続文様、異国趣味を感じさせる装飾が特色です。
本作は鉄地を丸形に仕立て、二匹の雨龍を透彫によって唐草に絡み合わせるように構成した作品です。龍の身体や各所には金布目象嵌が施され、黒々とした鉄地の中に金色が点在することで、複雑な透彫の構成に華やかな変化を与えています。耳は綱を撚ったような立体的な文様とし、切羽台にも流動感のある線彫を施すなど、細部まで装飾意識の行き届いた造りです。
とりわけ興味深いのは上部中央の宝珠部分で、内部に小さな珠が嵌め込まれており、鐔を振ると珠が動いて音を発する仕掛けとなっています。視覚的な意匠だけでなく聴覚にも働きかける遊び心を備えた珍しい構造で、雨龍の躍動的な造形、残存する金布目象嵌、複雑な透彫と相まって、南蛮鐔ならではの異国趣味と趣向性を存分に楽しめる一枚です。