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源平合戦透鐔 無銘(彦根) -Mumei(Hikone)- 12-1693

通常価格:¥440,000 税込
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源平合戦透鐔
無銘(彦根)
-Mumei(Hikone)-

縦81.1ミリ 横75.6ミリ 切羽台厚4.4ミリ 重さ125.3グラム
江戸中期 The middle period of Edo era
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱


彦根では江戸時代中期、喜多川宗典を代表とする藻柄子一派が活躍し、人物や山水を肉彫地透で濃密に構成し、金・銀・銅などの異種金属による色絵を加えた華麗な作風が盛行しました。こうした作は「彦根彫」と称され、宗典を中心とする一派の特色として知られています。京都国立博物館所蔵の宗典作にも、肉厚の地金を透彫し、人物や風景を高肉彫で表現して色絵を施す特徴が確認でき、18世紀の作とされています。

本作は縦81.1ミリという堂々たる鉄地を肉彫地透とし、寿永三年(1184)の一ノ谷合戦を題材として、武者、騎馬、舟、波濤、松樹、岩山などを表裏いっぱいに彫り込んだ実に見応えある一枚で、単に人物を並べるのではなく、遠景から近景へと連なる山野や海浜の景観の中へ武者たちを巧みに配することで、まるで『平家物語』の一場面を小さな鐔の中に凝縮したかのような壮大な物語世界を展開しています。

一ノ谷合戦は源平合戦を代表する戦いの一つであり、中でも平家の若武者平敦盛と源氏方の熊谷次郎直実の逸話は『平家物語』屈指の名場面「敦盛最期」として後世まで語り継がれ、武勇の華やかさと戦乱の世の無常を象徴する物語として能、幸若舞、絵画をはじめ数多くの芸術作品の題材となりました。本作においても、武者たちが織り成す緊迫した戦場の情景を周囲の山海と一体に描き出すことで、単なる合戦図にとどまらない物語性豊かな画面へと昇華されています。

細部へ目を移せば、人物の表情、甲冑、衣文、馬具に至るまで細やかな鏨を重ね、要所には金をはじめとする象嵌を配し、波間には銀の点象嵌を散らして波しぶきを表現するなど、見る位置を変えるたびに新たな情景が現れるほど手数の込んだ仕事が施され、さらに耳にはぐるりと金覆輪を巡らせることで、黒味を帯びた重厚な鉄地と金の輝きが鮮やかな対照を成し、81ミリを超える大型鐔ならではの堂々たる存在感に武家好みの格調と華やかさを添えています。

表だけで意匠を完結させず裏面に至るまで人物と景観を余すところなく展開している点も本作の大きな見所であり、手に取って表裏を返しながら眺めれば、武者の動きから馬、舟、岩山、松、波へと視線が次々に導かれ、一枚の鐔でありながら物語絵巻を紐解くような鑑賞の楽しみを味わうことができ、鉄地の彫刻、肉彫地透、異金属による色絵、金覆輪という多彩な技法を一作の中で楽しめるところにも、彦根人物鐔ならではの魅力が凝縮されています

本作には無銘ながら「彦根」と極められた保存刀装具鑑定書が附属しており、縦81.1ミリの堂々たる大きさ、一ノ谷合戦という武家文化を象徴する歴史画題、表裏にわたる濃密な人物群像、細部まで行き届いた彫技、鉄地と色金の鮮やかな対照、そして全周に巡らされた金覆輪までを兼ね備えた、まさしく掌中に『平家物語』の世界を収めたかのような一枚であり、武者図・合戦図を好まれる方にはもちろん、彦根彫の物語性と華麗な金工表現を存分に楽しみたい愛好家にも、ぜひコレクションに加えていただきたい魅力溢れる優品です。
寸法縦81.1ミリ 横75.6ミリ 切羽台厚4.4ミリ
時代江戸中期 The middle period of Edo era
鑑定書保存刀装具鑑定書
付属桐箱
重量重さ125.3グラム

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