木瓜形黒漆塗鐔 無銘 -Mumei- 12-1687
通常価格:¥44,000
税込
木瓜形黒漆塗鐔
無銘
-Mumei-
縦67.4ミリ 横63.2ミリ 切羽台厚3.8ミリ 重量102グラム
江戸前期 The early Edo period
附属 桐箱
木瓜形は四方に張り出しを設けた輪郭を特徴とする鐔の形式で、古くから刀装に用いられ、桃山時代から江戸時代にかけても多様な作例が残されています。鉄地に漆を施すことも実用刀装では行われ、鉄地を保護するとともに、金工による装飾とは異なる落ち着いた外観を与えています。
本作は鉄地を木瓜形に仕立て、左右に大振りの両櫃孔を開けた一枚です。表裏には彫りによる文様が施されており、とくに下方には輪郭を大きく巡る曲線状の意匠が確認できますが、長年の使用と表面の変化によって細部が失われており、現状から題材を確定することは困難です。
一面には黒漆が比較的厚く残り、もう一面では漆の多くが剥落して鉄地と文様が露出しています。この表裏の著しい表情の違いが本作の面白いところで、意図的な「昼夜仕立」と見るより、元来施されていた黒漆の残存状態の差と考える方が自然でしょう。耳や地には長い使用による摩耗と肌の変化があり、茎孔には責金を残します。華美な金工鐔とは対照的に、実用の中で使い込まれてきた古鐔らしい風合いを楽しめる一枚です。