葦辺に雁図透鐔 無銘(正阿弥) -Mumei (Shoami)- 12-1679
通常価格:¥198,000
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葦辺に雁図透鐔
無銘(正阿弥)
-Mumei (Shoami)-
縦81.8ミリ 横80.3ミリ 切羽台厚4.6ミリ 重量99グラム
江戸前期~中期 The early to middle Edo period
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
正阿弥派は室町時代後期から江戸時代にかけて活動した刀装具師の一派で、鉄地・赤銅地・真鍮地など多様な素材を用い、透鐔、肉彫、象嵌など幅広い技法による作品を数多く残しました。江戸時代には各地へその系統が広まり、多彩な作風を展開したことから、刀装具史を代表する流派の一つとして知られています。
本作は鉄地の丸形に肉彫地透を施し、水辺に繁る葦の間を飛翔する雁を表した一枚で、大きく翼を広げた雁を鐔面の中心的な意匠として据え、上下へ伸びる葦の葉や茎と巧みに連結させることで、図柄そのものを鐔の骨格として成立させています。雁の翼には羽根の重なりに沿って一本一本の羽筋を彫り込み、胴にも細やかな鏨を重ねて羽毛の質感を表す一方、足には素銅象嵌を施して鉄地の中へ控えめな色彩を添え、雁と葦を単なる平面的な透文様とせず、彫りの深浅と鉄の量感によって立体的な景趣へと仕立てています。
落ち着いた鉄味、大胆な肉彫地透、雁の羽毛にまで及ぶ細やかな鏨遣い、そして足に施された素銅象嵌がさりげない見どころとなっており、葦辺を飛翔する雁という古典的で風情ある画題を鐔そのものの構造へ巧みに取り込んだ、正阿弥の鉄鐔ならではの力強さと繊細さを併せて楽しめる一枚です。