雲龍文鐔 無銘(江戸肥後) -Mumei(Edo Higo)- 12-1678
通常価格:¥275,000
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雲龍文鐔
無銘(江戸肥後)
-Mumei(Edo Higo)-
縦83.0ミリ 横76.5ミリ 切羽台厚4.8ミリ 重量148グラム
江戸後期 The latter period of Edo era
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
江戸肥後は、江戸時代後期に肥後熊本藩細川家の抱え工となり江戸四谷に住した熊谷義之を中心として展開した熊谷一派を指し、「四谷肥後」とも呼ばれます。その作域は肥後金工の伝統を背景としながら、鉄地に彫刻を施し、金銀布目象嵌を効果的に取り合わせた華やかなものを特色としており、江戸後期の刀装文化の中で独自の展開を見せました。なお、金銀布目象嵌そのものは江戸肥後に固有の技法ではなく、林派をはじめとする肥後金工に古くから用いられてきた技法であり、熊谷一派はその伝統を受け継ぎながら華やかな作風へと展開しています。
本作は撫角形の鉄地に鋤出彫を施して雲間を躍動する龍を表し、その要所へ金銀布目象嵌を配した堂々たる一枚で、表では上部に大きく龍頭を据え、長く伸びる鬚や角、鱗を纏った胴体を雲気の中へ巡らせながら鐔面いっぱいに雲龍の世界を展開し、黒褐色へ深く落ち着いた鉄地に金銀の光を浮かび上がらせることで、江戸肥後ならではの華やかさを印象深く見せています。
ことに龍頭周辺には金布目象嵌がよく映え、鋤出彫による立体感と相まって見る角度によって龍が雲間から姿を現すかのような迫力を生み、裏にも雲気と龍身を連続させて表裏一体の構図とし、地を鋤き下げて周縁を高く残した鋤残耳が画面全体を引き締めています。縦83.0ミリ、重量148グラムという大振りで量感豊かな姿も見応えがあり、鉄の重厚な味わいと雲龍の躍動、金銀象嵌の華やぎを一枚の中で存分に楽しめる江戸肥後の佳品です。