龍図鐔 無銘(後代肥後) -Mumei (Later Higo)- 12-1674
通常価格:¥253,000
税込
龍図鐔
無銘(後代肥後)
-Mumei (Later Higo)-
縦80.0ミリ 横74.0ミリ 切羽台厚4.0ミリ 重量99グラム
江戸中期 The middle period of Edo era
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
肥後鐔は江戸時代の肥後国、現在の熊本県熊本・八代を中心として発達した刀装金工で、林、平田、西垣、志水の四系統を中心にそれぞれ特色ある作風を展開し、細川三斎の美意識と庇護がその発展に大きな影響を与えたことで知られています。
鉄味を生かした透彫や象嵌をはじめ、鉄、真鍮、赤銅、山銅など多様な素材と技法によって独特の美意識を築き、その作風は後代の肥後金工にも受け継がれました。
本作は鉄地を特徴的な木瓜形に仕立て、左右に大きく両櫃孔を開けた鐔面へ龍を真鍮据紋象嵌で大胆に表した一枚で、龍頭を上部に据え、長い胴を右側から下方へ巡らせながら前脚を切羽台下へ伸ばし、鐔の輪郭と櫃孔を巧みに利用して一匹の龍を画面いっぱいに躍動させています。龍の頭部から頸、胴、脚に至るまで毛彫によって眼、鬣、鱗などを細やかに刻み、黒々と落ち着いた鉄地に古色を帯びた真鍮の色彩が鮮やかに浮かび上がり、ことに龍頭を鐔上部いっぱいに配した構成は迫力があり、縦80ミリという大振りの姿と相まって強い存在感を示しています。裏面では龍の全容を繰り返さず尾の一部のみを真鍮据紋象嵌で表すことで表の華やかさを一層際立たせており、肥後物らしい渋い鉄味と真鍮の華やぎ、さらに龍を鐔そのものの形へ巧みに収めた構図の面白さを併せ持つ、鑑賞性の高い龍図鐔です。