雲龍図鐔 直武(花押) -Naotake(Kao)- 12-1672
通常価格:¥308,000
税込
雲龍図鐔
直武(花押)
-Naotake(Kao)-
縦76.8ミリ 横71.2ミリ 切羽台厚5.2ミリ 重量133グラム
江戸後期 The latter period of Edo era
附属 保存刀装具鑑定書、桐箱
直武は江戸時代の刀装金工で、本作には「直武」の二字銘と花押が切られ、保存刀装具鑑定書においても「銘 直武(花押)」として認定されていますが、その経歴については詳らかでない部分を残します。海外の古い日本刀鐔資料には「Naotake」と署名した薩摩の工による雲龍図鐔が収録され、19世紀初頭の作と記録されているものの、この直武と本作の作者が同一工であることまでは確認できないため、薩摩工とは断定せず、現時点では保存刀装具鑑定書の極めを基準として直武銘の江戸時代の作として扱うのが妥当でしょう。
本作は於多福木瓜形の素銅磨地に片切毛彫を施して雲間に躍動する龍を描き、耳には金覆輪を巡らせた一枚で、表には複数の龍を大胆に配し、頭部や胴、尾を鐔面の各所から現すことで画面の外まで龍が続いているかのような広がりを生み、鱗、鬣、角、雲気などを細やかな鏨で刻みながら、広く残した素銅磨地との対比によって龍の動勢を際立たせています。裏には渦巻く雲と龍身を配して表裏にわたり雲龍の世界を展開し、赤味を帯びた素銅地を全周に巡らせた金覆輪が鮮やかに引き締めることで、彫りそのものは抑制しながらも華やかな印象を生み出しており、5.2ミリの厚みと133グラムの量感を備えた於多福木瓜形の姿も堂々としています。
保存刀装具鑑定書が附属し、直武の銘と花押が正しく認められていることに加え、素銅磨地に片切毛彫という簡潔な技法で龍の躍動を表現し、金覆輪を合わせることで素材の色調そのものを意匠として生かした、鑑賞性に富む雲龍図鐔です。