秋草に牛図縁頭 無銘 -Mumei- 14-289
通常価格:¥187,000
税込
秋草に牛図縁頭
無銘
-Mumei-
縁 縦38.6ミリ 縁幅9.8ミリ
頭 縦32.0ミリ 重量34.6グラム
江戸後期 The latter period of Edo era
附属 桐箱
秋草は古くから日本の絵画や工芸に親しまれてきた季節意匠で、秋野に咲く草花を取り合わせ、移ろう季節の風情を表す題材として刀装具にも用いられました。牛もまた農耕や牧歌的な景物として絵画・工芸に取り上げられ、草花と組み合わせることで野辺の静かな情景を構成する意匠となっています。
本作は良質な赤銅地の全面に極めて細かな魚子を打ち、縁には秋草を巡らせながら牛を高肉彫で据え、頭にも同じ牛を大きく配した縁頭です。秋草は花や葉、細く伸びる茎に至るまで金色絵を施し、黒々とした赤銅魚子地の上に鮮やかな景色を展開する一方、牛は赤銅の黒味を生かして立体的に彫り、身体の斑、眼などの要所に金色絵を加えることで量感と表情を引き出しています。
特に縁では秋草の間を牛が歩むように構成され、裏側まで途切れることなく草花を巡らせているため、正面だけを飾った作品とは異なる見応えがあります。細密な魚子、豊富な金色絵、高肉彫による牛という異なる技法を一組の中で巧みに調和させた、無銘ながら上質な作域を示す縁頭です。