上り藤紋縁頭 無銘 -Mumei- 14-288
通常価格:¥132,000
税込
上り藤紋縁頭
無銘
-Mumei-
縁 縦37.25ミリ 横14.2ミリ
頭 縦32.3ミリ
重さ35.1グラム
江戸時代中期~後期 Mid to Late Edo period
附属 桐箱
藤紋は藤の花や葉を図案化した植物紋の一種で、上り藤は三枚の葉を中心に、左右の藤の花房を下から上へ立ち上げるように配した意匠です。藤紋には上り藤、下り藤をはじめ多くの変化があり、武家の家紋としても広く用いられました。上り藤も複数の武家で使用例が知られ、江戸時代を通じて家格を示す紋章意匠として武具や調度にも表されています。
本作は良質な赤銅を用いた縁頭で、地一面に細密な魚子を整然と打ち、その上に上り藤紋を金色絵で据えています。漆黒に近い赤銅の色合いと金色の紋との対照が鮮やかで、左右から立ち上がる藤房は一枚一枚の花を丁寧に表し、下部の三枚葉にも葉脈を刻んで単純な家紋表現に終わらせない細やかな仕事を見せています。縁では一方を金色絵、反対側を赤銅地のまま線描のようにあしらっていることも興味深く、魚子地の中に同じ紋を色調の違いによって浮かび上がらせる洒落た構成となっており、頭には金色の上り藤紋を堂々と配することで一組としての格を整えています。
均質な魚子、深い赤銅色、端正な家紋の造形がよく調和した、武家の拵にふさわしい品格を備える一組です。