山水東屋図縁頭 無銘 -Mumei- 14-286
通常価格:¥165,000
税込
山水東屋図縁頭
無銘
-Mumei-
縁 縦39.9ミリ 横16.9ミリ
頭 縦36.0ミリ
重さ37.4グラム
江戸時代中期~後期 Mid to Late Edo period
附属 桐箱
山水に東屋を配する意匠は、中国山水画の影響を受けながら日本でも古くから絵画や工芸意匠に取り入れられ、刀装具にも山岳、樹木、家屋などを組み合わせた景観として表されました。人物や物語の一場面を主題とするのではなく、遠近を意識した景物の配置によって限られた金具の表面に広がりのある風景を表現するところに、この種の意匠の趣があります。
本作は鉄地の縁頭で、頭には霞むように遠く連なる山々を控えめに表し、縁には山並みと東屋を配して一続きの山水景を構成しています。地景は低く抑えた彫りで表され、随所に施された金象嵌が、遠景に灯る光あるいは山間に散る景物のような効果を生み、黒味を帯びた鉄地の中に静かな奥行きを与えています。
特に興味深いのは縁頭とも外周部分を本体とは別造りとし、宣徳と見られる黄銅質の金属を嵌め込んだ構造で、暗色の鉄地を細い金色の輪郭が引き締めています。頭には赤銅の鵐目が附属しており、素朴な山水表現の中にも造り手の工夫が感じられます。縁は40ミリ近い大振りで存在感があり、身幅の広い刀を用いた拵にも合わせやすい一組です。