勝虫図頭金具 無銘 -Mumei- 15-198
通常価格:¥38,500
税込
勝虫図頭金具
無銘
-Mumei-
縦33.9ミリ 横16.0ミリ 重さ8.5グラム
江戸後期 The latter period of Edo era
附属 なし
蜻蛉は古くから「勝虫」と称され、武家に好まれた意匠として知られています。真っ直ぐ進んで退かない姿に武士の心構えを重ね、勝利を願う吉祥意匠として甲冑や刀装具などに取り入れられました。実際に江戸時代の刀装具にも勝虫を主題とした作品が確認されており、武具にふさわしい画題の一つとして定着していたことが窺えます。
本作は素銅地を仕立て、頭金具いっぱいに一匹の勝虫を大きく高肉彫で表したもの。左右に大きく広げた翅と長く伸びる胴によって限られた画面を巧みに使い、翅の筋、節を刻んだ胴、頭部や脚に至るまで細やかな鏨を加えています。胸部や眼、脚の一部などには金色絵を施し、素銅地の落ち着いた赤褐色との対比によって勝虫の姿を鮮明に浮かび上がらせています。特に翅は量感を持たせながら一本一本の筋を丁寧に彫り分け、胴を斜めに配した構図にも動きがあり、無銘ながら彫刻、構成ともに仕事の良さが窺える頭金具です。