龍図透鐔 山城國西陣住埋忠 -Yamashiro no Kuni Nishijin-jū Umetada- 12-1637
通常価格:¥198,000
税込
龍図透鐔
山城國西陣住埋忠
-Yamashiro no Kuni Nishijin-jū Umetada-
縦74.1ミリ 横73.7ミリ 切羽台厚5.7ミリ 重量121グラム
江戸前期 Early Edo period
附属 桐箱
埋忠家は桃山時代から江戸時代初期にかけて京都を拠点に活動した刀工・刀装具師の一門で、初代埋忠明寿は刀剣製作、研磨、彫物など多方面で優れた技術を示した名工として知られています。刀装具においても鉄地や赤銅地を用いた透鐔や彫鐔など数多くの優品を制作し、その洗練された作風は後世の京都金工に大きな影響を与えました。埋忠の銘を切る作品には後世の極めや追銘を含むものも少なくなく、一作ごとの検討が重要とされています。
本作は鉄地を力強く透かし、一条の龍を円形いっぱいに配した堂々たる構成を見せる作品です。龍の頭部は迫力に富み、全身に刻まれた鱗は一枚一枚まで丁寧に表現され、四肢や爪にも確かな彫技がうかがえます。目と牙には真鍮嵌を施し、落ち着いた色合いの鉄味との対比によって龍の生命感を巧みに引き立てています。厚みのある肉置きと均整の取れた透かしは見応えがあり、耳際まで破綻なくまとめられた構図からも作者の高い技量が感じられます。
本作は日本美術刀剣保存協会の審査において、銘について「研究の余地あり」として審査保留となった経緯がありますが、これは銘の真偽について結論が示されなかったことを意味します。一方で、作品そのものは鉄味・彫技・構成のいずれにも優れ、埋忠の名にふさわしい高い完成度を備えた一枚として評価できる優品です。