波濤に龍図鐔 無銘 -Mumei- 12-1635
通常価格:¥44,000
税込
波濤に龍図鐔
無銘
-Mumei-
縦71.3ミリ 横67.8ミリ 切羽台厚4.5ミリ 重量109グラム
江戸中期 Mid Edo period
附属 桐箱
龍は古くから中国において天候や水を司る霊獣として崇められ、日本にも伝来して武家文化の中で盛んに用いられました。雨を呼び、豊穣や繁栄をもたらす神聖な存在とされる一方、如意宝珠を得ることであらゆる願いを成就させる吉祥の象徴としても広く知られています。その力強く躍動する姿は刀装具の意匠としても人気が高く、時代を通じて数多くの優品が制作されました。
本作は鉄地に龍が宝珠を追いながら鐔の表裏を巡る大胆な構図を採っています。表には龍頭と胴と脚、裏には腹と爪と波濤を配することで、一匹の龍が鐔全体を駆け巡るような一体感を巧みに演出しています。龍の髭や眼等には金象嵌が施され、宝珠は銀象嵌を施すことで、鉄地に華やかさを添え、肉彫は過度に誇張することなく力強さを表現し、余白を生かした構成と相まって江戸中期らしい品格ある作域を示しています。金象嵌には部分的な摩耗が認められるものの、長年の使用によって育まれた風合いが古鐔としての趣を一層深めています。