羽子板図鐔 江府住正栄 -Kōfu ju Masahide- 12-1633
通常価格:¥66,000
税込
羽子板図鐔
江府住正栄
-Kōfu ju Masahide-
縦74.4ミリ 横71.0ミリ 切羽台厚6.0ミリ 重量139.6グラム
江戸後期 Late Edo period
附属 桐箱
正栄は江戸で活動した武州伊藤派の刀装具師です。武州伊藤派は江戸時代に江戸を中心として栄えた刀装具流派で、鉄地を主体に透彫や肉彫、象嵌などの技法を用い、草花、風景、吉祥文様、風俗意匠など幅広い題材を取り上げた作品を数多く残しました。実用性を備えながらも洗練された意匠を追求した作風は高く評価され、江戸金工を代表する流派の一つとして知られています。
本作は新春の遊戯である羽根突きを主題とし、画面下部に羽子板、その右側と上方に三羽の羽根を巧みに配した構成によって、限られた空間に軽やかな季節感を表現しています。
丸形で碁石状とし、羽子板の押絵や羽根の一部に施された金布目象嵌は華美に流れることなく鉄地の落ち着いた趣を引き立て、板厚6ミリ、重量139.6グラムに及ぶ堅牢な造りと相まって、武州伊藤派らしい実用性と品格を兼ね備えた作品に仕上げられています。地鉄には部分的に錆の脱落が認められるものの、時代を経た鉄味はなお良好に保たれ、構図の妙や彫技の確かさを損なうものではなく、江戸後期武州伊藤派の作風を素直に伝える在銘作として鑑賞価値の高い一枚です。