鵜飼図鐔 無銘 -Mumei- 12-1631
通常価格:¥66,000
税込
鵜飼図鐔
無銘
-Mumei-
縦87.6ミリ 横81.6ミリ 切羽台厚3.3ミリ 重量170グラム
江戸中期 Edo period
附属 桐箱
鵜飼は古くから夏の風物詩として親しまれ、篝火を焚いて鵜を操り鮎などを捕る漁法です。『日本書紀』や『古事記』にもその起源が見られ、江戸時代には長良川や宇治川などの鵜飼が広く知られ、浮世絵や刀装具にも盛んに取り上げられました。静かな夜の水辺に月が昇り、篝火だけが水面を照らす情景は、日本人の美意識を象徴する題材の一つとなっています。
本作は鉄地を竪丸形に仕立て、小柄櫃・笄櫃には銀覆輪を施しています。表には樹木の枝葉の間から半ば姿を覗かせる三日月を配し、その下には鵜匠と鵜を配し、広い余白によって夜の静寂を巧みに演出しています。裏には水面と魚籠、樹木の枝葉のみを簡潔に配し、必要最小限の意匠で情景を完成させた構成は非常に洗練されています。派手な装飾に頼ることなく、鉄味と余白を生かして日本的な情趣を表現した佳作であり、落ち着いた鑑賞を楽しめる作品です。