春日野図鐔 無銘 -Mumei- 12-1629
通常価格:¥165,000
税込
春日野図鐔
無銘
-Mumei-
縦68.6ミリ 横64.6ミリ 切羽台厚4.2ミリ 重量102グラム
江戸前期 Early Edo period
附属 桐箱
鹿は古くから神使として尊ばれ、奈良・春日大社では神聖な存在として保護されてきました。その姿を春日野の風景とともに表した意匠は刀装具にも広く取り入れられ、木立や飛鳥、草花などを組み合わせることで、神域の静かな情景を表現した作品が江戸時代を通じて制作されています。
鉄地丸形の板面に、表には金と赤銅で雌雄の鹿を高肉象嵌で配し、その傍らには木立、上部には空を渡る一羽の鳥をさりげなく表しています。裏面にも枝葉と石、飛鳥を配して表裏が呼応する構成となり、簡潔な意匠の中に春日野の穏やかな風景が巧みにまとめられています。鉄味は古色に富み、板面には長年の使用によって育まれた落ち着いた風合いが備わり、象嵌にも時代相応の枯れた趣が感じられ、華美な装飾に頼ることなく景趣を表現した作域には古作らしい品格があり、江戸前期頃の制作と考えるのが最も自然でしょう。