怒涛龍図鐔 無銘 -Mumei- 12-1621
通常価格:¥165,000
税込
怒涛龍図鐔
無銘
-Mumei-
縦68.7ミリ 横63.1ミリ 切羽台厚4.5ミリ 重量107グラム
江戸中期~後期 Middle to Late Edo period
附属 桐箱
龍は古来、水を司る霊獣として信仰され、雨や雲を呼ぶ神聖な存在として東アジアで広く尊ばれてきました。刀装具においても吉祥や守護を象徴する代表的な題材の一つであり、雲中や波濤の中を躍動する姿が多くの鐔工によって表現されています。波濤と組み合わせた意匠は龍の力強さを際立たせる構図として、江戸時代を通じて数多く制作されました。
本作は鉄味の良い鉄地を用い、画面右側いっぱいに怒涛を肉彫し、その中から姿を現す龍の頭部を高肉彫で力強く表しています。全身を描かず頭部のみを見せることで、なお波間に巨大な身体を潜ませる迫力を巧みに演出しており、龍の眼と波しぶきには金象嵌を施して黒味のある鉄肌との鮮やかな対比を生み出しています。裏面は波濤のみを配し、表裏で変化を持たせた構成も見どころです。切羽台には赤銅無垢を据え、責金には銀を用いるなど細部まで丁寧に仕立てられ、簡潔な構図ながら力感に満ちた佳作に仕上がっています。